400年を超える歴史のある『天狗岩用水』を未来に引き継ぐために・・・
- 江戸時代には「植野天狗岩堰」と言いましたが、明治15年に「天狗岩水利土木会」ができてからは、「天狗岩堰」
という呼び方になりました。現在は、利根川坂東大堰取水合口から八幡川との合流地点までを「天狗岩用水」と呼び、
それより下流の烏川への落水口までを「滝川」と呼んでいます。明治25年には「天狗岩堰普通水利組合」が設立され
昭和24年の土地改良法の制定に伴い、昭和27年に天狗岩堰土地改良区に組織変更されました。その間、カスリン台
風やアイオン台風、キティ台風など数多くの台風による被害を受けながらも、整備・改修を施し現在に至っています。
天狗岩堰土地改良区の現状と課題
- 天狗岩堰土地改良区の受益地は、前橋市、高崎市、玉村町の2市1町に亘り、利根川右岸側を南北に走る地域です。
前橋市を中心とする都市近郊の地域であるため、市街化区域も多く、近年、宅地造成や大規模道路の造成に伴う開発、転用が後を絶ちません。設立当初は、約2,000haあった受益面積も現在は半分以下まで減少している状況です。
また、組合員の高齢化や市街化による非農家との混住化が進行し、農業用用水路を維持管理するための共同活動が
困難な状況にあります。
今後は、先人から授かった「天狗岩用水」をいかにして守り続けていくか、土地改良区の喫緊の課題と言えます。