天狗岩用水の施設について


「天狗岩用水 世界かんがい施設遺産登録記念碑」

令和2年12月8日に開催された第71回ICID(国際かんがい排水委員会)執行理事会において、天狗岩用水の世界かんがい施設遺産登録が決定しました。この度、登録記念碑を製作し、令和4年3月25日に除幕式を開催しました。
(写真は役員の皆さん。石碑の製作は大海石材店(藤岡市)です。)

「補強・補修工事を終えた坂東大堰」

平成24年度から(農山)県営水利施設整備事業(基幹水利施設保全型)坂東大堰地区により、坂東大堰関連施設の改修が進められてきました。
平成28年度からは、天狗岩用水の取水施設がある坂東大堰の改修が行わてきましが、この工事により、本体固定堰(174m)は高強度コンクリートにより補強され、護床には消波ブロックや自然石が設置されました。
また、利根川の下を通り、天狗岩用水の受益農地がある右岸側へ用水を運ぶための利根川横断暗渠(201m)の内部も補修が完了し、ここに新しい坂東大堰が完了しました。坂東大堰本体の工事は令和元年度を以って一旦完了となりますが、引き続き、幹線導水路の改修が進められる予定ですので、ご協力の程、よろしくお願いいたします。

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「坂東大堰と坂東大堰取水合口」

坂東太郎とも呼ばれる利根川にかかる坂東橋(渋川市)の下には坂東大堰があります。左に見えるのが昭和26年に県営坂東合口事業により完成した「坂東大堰取入合口」です。
取入合口は12連の引入合口からなり、4個の分水槽に連結します。このうち3個の分水槽は広瀬桃木両用水の隧道に連結し、下流の水路へ流れます。1個は天狗岩用水の隧道に連結し、取水合口下流にある坂東橋の下で横断暗渠によって利根川を横断して右岸に渡り、約860mの天狗岩連絡暗渠を経て下流の天狗岩用水路へ流れます。
昭和46年に坂東合口土地改良事業により坂東水系総合開発のための分水施設が完成してからは、災害時の予備の取水口として利用されています。

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「天狗岩沈砂池」

坂東大堰取水合口から取水された用水は利根川横断暗渠を通って下流へ運ばれます。坂東大堰取水合口から南へ約1.6kmのところに天狗岩沈砂池があります。坂東大堰取水合口から取り入れた用水から土砂を取り除く施設として、吉岡町漆原に建設されました。

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「天狗岩用水制水門と余水吐門」

天狗岩用水は利根川横断暗渠内に設けられた制水門により利根川からの取水量を調整しています。そこから下流約3.2kmに天狗岩用水制水門と余水吐門があります。ここで緊急時の水量の調整が行われます。

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天狗岩用水遊歩道

光巌寺の西を流れる天狗岩用水。用水沿いには遊歩道があります。遊歩道は地域用水機能増進事業により平成16年3月に完成しました。地域住民や中学生により花木の植栽が施され、美しい景観を保っています。奥に見える橋は「秋元橋」と名づけられ、中学校の通学路になっています。

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「県営かんがい排水事業天狗岩堰地区 竣工記念碑」

昭和63年度から平成10年度まで、11ヶ年の歳月と総工費17億400万円のをかけ、秋元長朝公によって開削された天狗岩用水の改修工事が実施されました。
平成11年3月の竣工を記念し建立された記念碑です。記念碑の文字は地元群馬県選出の総理大臣でもある”故小渕恵三”先生によるものです。